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【ヘアーデザイナー】山崎由紀恵さんの場合 〜vol.1〜

  • 執筆者の写真: 萌美 椎橋
    萌美 椎橋
  • 2023年10月15日
  • 読了時間: 6分

更新日:2023年10月24日




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都内の美容室で経験を積んだ後、ニューヨークへの渡米を経て、最先端のヘアースタイルを学んできた山崎由紀恵さん。

今回は彼女に「好き」なことを仕事にするきっかけと、これからの夢について語ってもらった。


Q.美容師になろうとしたきっかけはなんですか?

椎橋萌美(以下、ばし):いつごろから美容師になろうと思ったんですか?

山崎由紀恵さん(以下、山崎さん):中学二年生のときです。

ばし:ずいぶんハッキリと覚えてらっしゃるんですね。

山崎さん:自分の中で結構、衝撃的な出来事があったので。

ばし:それはいったいどんな?

山崎さん:学校終わりに家に変えると、妹が泣いてたんです。「どうしたの?」って聞いたら「髪の毛こんなになっちゃった」って。お父さんに、ヘルメットみたいなマッシュルームヘアにカットにされちゃってたんです。

ばし:ヘルメットは泣きたくなりますね……。

山崎さん:それで私が「切り直してあげようか」って、毛量を調節したり、整えてあげたんです。そうしたら、それまでずっと泣いてたのに切り終わった途端「ありがとう」って笑顔になったんです。

ばし:山崎さんのカットが妹さんを救ったんですね。

山崎さん:泣いていた人が笑顔になったことがすごい衝撃的で。それで美容師になろう、って思いました。


Q.「好き」を仕事にする怖さはありましたか?

ばし:好きなものでお金を稼ぐって、責任も生まれるし、自分の思い通りにできないことも多いですよね。クライアントの意図する案件を表現するのと、作品などの自己表現は違うから。

山崎さん:好きだからこそ「趣味」のままにしていたい人もいらっしゃいますよね。

ばし:それでも山崎さんは「好き」を仕事にした。後悔とか、苦しみってありますか?

山崎さん:仕事やサロン業務などになると「相手の作り出す世界観」に寄り添ったり「その人の好み」を引き出していかないといけない。そういう難しさはあるけど、それは同時にやりがいにも繋がりますね。

ばし:後悔も辛さもなかった、と。

山崎さん:はい。

ばし:ほんとに? ここだけの話、泣きたくなるほど苦しかったことの、ひとつやふたつ……。

山崎さん:んー。正直あんまり覚えてないです(笑)。もちろんあったと思うんですけど、それよりも、みんなからの「ありがとう」が勝っちゃって。いい思い出しかないです。

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渡米中作った作品 その1


Q.もうやめたいと思ったことは?

山崎さん:美容師もヘアデザイナーも、やっていて「やめたい」って思ったことは一度もないです。

ばし:一度も!? 

山崎さん:多分「毛」そのものが好きなんですよ。

ばし:「毛」が好き?

山崎さん:ニューヨークに渡米をしたとき、ヘアーとメイクの表現、どちらに重きを置いて触れようか考えたとき、迷わずヘアーを選びました。

ばし:ニューヨークだと、ヘアーデザイナーとメイクアップアーティストはそれぞれ違う職業ですもんね。

山崎さん:髪を介して自己表現をすることが大好きなんです。だからこの世に「毛」がある限り、ずっとやり続けると思います。



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作品撮りのワンシーン。モデルのヘアーを整える山崎さん。


Q.「好き」な仕事をすることへのやりがいは?

山崎さん:自己中心的に、自分が楽しいと思うことを全力でやれています。「自分が思う素敵なスタイルを作りたい」「誰にどう思われるかなんて関係ない」ってマインドです。

ばし:聞いていて清々しくなるほど素敵ですね。

山崎さん:「好き」だから自分の中で妥協しないし、できない。正々堂々戦っている感じです。

ばし:「好き」じゃなかったら「ま、いっか」が出ちゃいますもんね。

山崎さん:もちろん、写真のムードに合わせたり、モデルの雰囲気に寄り添ったりなど、臨機応変に対応することはあります。その中で、どれだけ自分が最大限に楽しくヘアーを作れるか。そこをいちばん大事にしています。



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渡米中作った作品 その2


Q.ニューヨークに行こうと思った理由は?

山崎さん:まるで示し合わせたかのように、同じタイミングで複数の方から「海外、興味ないの?」って聞かれたんです。「あ、これはニューヨークに呼ばれてるな」って感じて。

ばし:それでニューヨークに行っちゃったんですか!?

山崎さん:はい。お金貯めて。父親には「行くからには2~3年行って来い!」って激励されました。

ばし:さすが、ヘルメットカットお父さん。

山崎さん:いざニューヨークへ行ってみたら……。なにもできませんでした。知り合いもいないし、言葉も通じない。生のヘアーデザインに触れたかったけど、ツテもゼロだったから。

ばし:それはとっても不安な日々だったんじゃないですか?

山崎さん:はい。でも、ルームメイトの子が洋服のスタイリストで。その子と一緒に作品撮りをしているうちに、フォトグラファーさんやメイクさんと知り合いになれました。作品撮りをして彼らと付き合っていくうちに「今度この現場来ない?」とか「このメイクさんと一緒に作品撮ってみない?」なんてお声がけいただいて、どんどん繋がりが連鎖していきました。

ばし:地道に人脈を増やしていったわけですね。


Q.ニューヨークで学んできたことを、今後どう日本で表現していきたいですか?

ばし:ファッション、ヘアー、メイク……。世界最先端の国で、沢山のことを吸収してきた山崎さん。そこで培ったものを今後はどう日本で表現していきたいですか?

山崎さん:当たり前だけど、日本は日本人がいちばん多いですよね。でも、ニューヨークって本当にいろんな国籍の人達が集まっているんです。

ばし:ニューヨークほど多国籍が集まる場所ってないかもしれないですね。

山崎さん:国籍が違えば髪質も違うし、髪に対する思い入れも違う。髪の硬さだとか、熱を当ててほしくない考えの人など多種多様です。でも日本人は日本人のカット、セットしかしてこなかったから、アジア人の髪の対応しかできないと思うんですよ。

ばし:日本人以外のカットやアレンジの勉強なんて多分していないですよね。

山崎さん:日本人が多いからそれもそう、って話なんですけどね。でも対応できるのとできないのとでは付加価値が俄然違うと思います。

ばし:日本の美容師の技術は海外から一目置かれているそうですしね。

山崎さん:それなのに、英語を話せる人もちっともいないでしょ? インバウンド効果で海外の方が日本の美容室に来てくれているのに、対応ができないのはもったいないです。日本に来てくれた海外の方の髪質や価値観にあったスタイルを提案して、笑顔で帰ってもらう。そんな世界規模なヘアーの多様性をもっと浸透させたいですね。



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渡米中作った作品 その3


Q .あなたの夢はなんですか?

ばし:最後の質問です。山崎さんの“今の夢”はなんでしょうか?

山崎さん:常に流動するセンスや技術を肌で体感してきましたから、自分としてはいずれ「今のイチオシは、日本の『YUKIE-YAMASAKI』が創るこのヘアー」って、ニューヨークのみんなが話題にするくらいのアーティストになりたいです。日本のヘアーって素敵だねって思ってもらえるよう、頑張ります!



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作品撮りのワンシーン。モデルの髪の毛に触れて、つい笑顔が漏れる「毛」好きの山崎さん。






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山崎 由紀恵(やまさき ゆきえ)

1989年、東京都出身。埼玉県理容美容専門学校卒。

都内の美容室での勤務を経て、単身NYへ渡米。

最先端のヘアーデザイナーとして目下邁進中。





 
 
 

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